人事労務ニュース
人事労務ニュース

文書作成日:2024/06/11

今国会で改正された雇用保険法の注目ポイント

 現在、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる従業員については、雇用保険の被保険者となります。2024年の通常国会で改正雇用保険法が成立し、この被保険者となる従業員の範囲が拡大することになりました。施行日は2028年10月1日とまだ先ですが、どのように変わるのかを確認しておきましょう。

[1]雇用保険の適用拡大
 雇用保険の被保険者でなければ、基本手当(いわゆる失業手当)や、育児休業取得時の育児休業給付等は受給できません。働き方や生計維持のあり方の多様化が進展している中で、週の所定労働時間が短い労働者が増えています。そのような背景から、雇用保険の被保険者の範囲を拡大する必要があると判断され、「1週間の所定労働時間が20時間以上」という要件が「1週間の所定労働時間が10時間以上」に変更されることになりました。

[2]被保険者期間の算定基準
 基本手当を受給するには、退職日前2年間に、雇用保険の被保険者であった期間が12ヶ月以上(倒産・解雇等の理由により退職した場合は退職日前1年間に6ヶ月以上)必要になります。ここでの「1ヶ月」とは、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月または賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である月を指します。
 適用拡大に伴い、被保険者の賃金の支払の基礎となった日数が6日以上ある月または賃金の支払の基礎となった時間数が40時間以上である月を「1ヶ月」とすることに変わります。

[3]給付制限の見直し
 現在は、自己都合で退職した者が基本手当を受給しようとすると、原則として2ヶ月間の給付制限期間(基本手当が支給されない期間)が設けられています。
 今回の改正で、退職した後や、退職日前1年以内に、一定の教育訓練を受講した場合には、この給付制限が解除されることになりました。また、2ヶ月間の給付制限期間を1ヶ月に短縮する通達改正が行われる予定です。なお、現状、5年間で3回以上、自己都合で離職した場合には給付制限期間が3ヶ月となりますが、この点は改正されない予定です。
 この給付制限の見直しは、適用拡大に先立ち、2025年4月1日に施行されます。

 今回の適用拡大により、被保険者となる従業員が増えることで、雇用保険料の会社負担の増加、そして、各種手続き数の増加による事務負担が生じます。適用拡大が施行されるまでにはまだ時間がありますが、特に短時間のパートタイマー・アルバイトが多い企業では、施行後の影響を事前に確認しておきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

お 問 い 合 わせ

  柴田経営労務管理事務所
〒811-4305
福岡県遠賀郡遠賀町松の本
3丁目8番10-1号

※車でお越しの際は当事務所
専用駐車場をご利用ください

T
EL:093-701-4821
※事務所不在時は、携帯電話に
転送するようにしています。
いつでもご連絡ください。
FAX:093-701-4822
メールでのお問合せ

営業日/月〜土 (日祝休)
営業時間/8:30 〜 18:00
※事前に連絡いただければ
時間外・休日も対応いたします

    
    

facebookロゴ

 

福岡労働局

福岡社労士会

FPロゴ

遠賀町商工会

専門職団体

福岡県経営労務福祉協会

福岡労働局で取扱う各種助成金一覧